2018年12月11日、忘れられない日
2018年12月11日(火曜日)、フランス・ストラスブールの旧市街で開催されていたクリスマスマーケットが、突然の銃乱射事件に見舞われました。この事件はテロとされ、多くの人々の心に恐怖と悲しみを刻みました。
2015年11月13日(金曜日)、私は偶然パリを訪れており、同時多発テロが発生した現地に居合わせるという衝撃的な経験をしました。その日の夜、街中が混乱と恐怖に包まれ、言葉では表せない不安と恐怖を肌で感じました。その経験が私の心に深く刻まれているため、今回のストラスブールの事件にも恐怖に包まれました。
2015年以降、フランス全土でセキュリティ対策は一段と強化されてきましたが、それでもこうした事件を完全に防ぐことの難しさを改めて感じさせられました。
事件はその2日後、12月13日に容疑者が射殺されたことで解決しました。しかし、地元の人々や観光客の心に残した爪痕は、簡単には癒えるものではありません。
再び訪れたクリスマスマーケット
事件後、私は週末に再開したストラスブールのクリスマスマーケットを訪れました。普段の週末の買い物ついでに寄った程度でしたが、意外にも多くの人々で賑わっており、驚きを隠せませんでした。
2015年のパリのテロ直後には、ストラスブールのクリスマスマーケットが閑散としていた記憶があったため、そのギャップに拍子抜けしたような気持ちもありました。「人々の感覚が麻痺してしまったのだろうか。それとも単なる記憶違いなのか?」と、自問自答してしまうほどでした。
もちろん通常よりは、観光客は明らかに激減しています。特に、長距離バスの停留所はガラガラで、事件前の週末には30~40台のバスが連なっていた光景が嘘のようでした。
日常に戻る街、心に残る不安
今回の事件がショッキングだったのは、銃乱射が起こった場所や容疑者が射殺された場所が、私自身が日常的に通る道だったこともあります。しかし、それ以上に驚いたのは、自分がこの事件を2015年のパリで遭遇したテロよりも冷静に受け止めていることでした。あの日、街の異様な静けさと張り詰めた空気の中で感じた恐怖を思うと、今回の自分の落ち着きが不思議に思えるほどです。
もちろん、一件の事件が終わったからといって、ストラスブールのクリスマスマーケットが完全に安全だとは言えません。それでも、地元の人々は少なくとも表面上、日常を取り戻しているように見えました。この街には、人々の強さとしなやかさが息づいているのかもしれません。
このような日々の出来事を通して、私たちはどのように恐怖を受け入れ、生活を続けていくのかを考えさせられます。ストラスブールのクリスマーケットは、悲しみの中にも人々が立ち直る象徴のようでした。
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