2015年11月13日、パリで体験した衝撃の夜
2015年11月13日(金曜日) 21時05分、私はTGVでパリに到着しました。この夜、モンマルトルの丘 (Montmartre) から見たエッフェル塔 (La Tour Eiffel) やパリの夜景は、生涯忘れられない光景となりました。
この週末、クライミング仲間から誘いを受け、パリ郊外にあるボルダリングの聖地・フォンテーヌブロー (Fontainebleau) へのクライミング旅行を計画していました。彼らは11日(祝日)から出かけていましたが、私は土日のみの参加予定でした。今回が初めて訪れるフォンテーヌブローへの旅行ということもあり、ワクワクした気持ちでTGVに飛び乗ったのを覚えています。
パリに着いてから、その日のうちにフォンテーヌブローへ向かうことも考えましたが、スケジュールに余裕を持たせるためにパリで1泊することを選びました。この判断が後に幸いしたことは、当時の私には知る由もありませんでした。
モンマルトルの丘とパリの静寂
夜、時間を持て余した私はモンマルトルの丘に向かいました。しかし、予想外に薄暗く、人影もまばらで、どこか不穏な空気を感じました。それでも、エッフェル塔が輝く夜景を眺めていると、パリに来た喜びが込み上げてきました。
その後、繁華街に戻り、軽い食事を済ませた後、道路脇の地図を見ながら現在地を確認していると、一人のパリジェンヌに声を掛けられました。
👱🏻♀️「Do you speak English?」
彼女は落ち着いた声で、しかしどこか緊張を感じさせながら、こう続けました。
今、11区でテロがあり、すでに30人以上が亡くなっています。その方面には絶対に近づかないでください。」
私は驚きのあまり、彼女の言葉をすぐには理解できませんでした。テロ。30人の死者。信じられない出来事が今、自分のいるこの街で起こっている…。
パリに広がる緊張と不安
その後、街のいたるところでテレビに映し出されるニュース映像が、テロの深刻さを物語っていました。人々はどの店でも心配そうに画面を見つめていました。複数の友人や同僚からも心配のメッセージが届き、次第に事態の大きさを実感しました。
あの夜、パリはいつもの華やかな姿を失い、静けさと緊張感に包まれていました。私は不安な気持ちで一夜を明かしながら、明日をどう迎えるべきかを考え続けました。
そして、翌日へ
その衝撃的な夜を過ごした翌朝、予定通り私はフォンテーヌブローへ向かいました。とにかくクライミング友に会いたい気持ちでいっぱいでした。自然の中で体を動かすことで、パリでの出来事を少しでも心から遠ざけようとしていたのかもしれません。
2015年11月13日は、私の人生の中で決して忘れることのできない日です。この出来事を振り返るたび、平穏な日常がいかに貴重であるかを改めて感じます。
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