ドロミテの中でも屈指の人気を誇る観光地、三つの尖峰、トレ・チメ (Tre Cime di Lavaredo) の近くにある山小屋、アウロンツォ小屋 (Rifugio Auronzo) を知っていますか?
Rifugio Auronzo (2330m)
この小屋での宿泊はまさに最高の選択でした。翌朝、目の前にそびえ立つ 👉🏻 トレ・チーメ (Tre Cime) 北壁は、私の心を一瞬で鷲づかみにしました。写真や映像では決して伝わらない、言葉を失うほどの美しさ。あの瞬間の感動は、きっと一生忘れないでしょう 😭
トファーナ・ディ・メッツォ:Tofana di Mezzo
── では、旅の始まりに話を戻しましょう。 コルティーナ・ダンペッツォ (Cortina D’ampezzo) で迎えた朝は快晴。昨日までの曇り空が嘘のような澄んだ空が広がっていました。リフトはすでに夏の営業を終えていて、街はどこか静けさに包まれています。
ホテルでゆっくりと朝食を済ませた後、いよいよトレ・チーメ (Tre Cime) へ出発です。ちなみに、コルティーナに滞在する羽目になった最大の理由──着替えのパンツも、無事スーパーで購入し任務完了 🤣
この時期はすでに、ドロミテバス (dolomiti bus) の夏季運行が終了していたため、SADバスを利用してトレ・チーメに移動です。 コルティーナからドッビアーコ (Dobbiaco) 方面に戻り、バスを乗り継いでアウロンツォ小屋へ向かう予定でした。
荷物をまとめ、予定通りコルティーナを出発 (10:05 am)。しかし…この後、小さなトラブルが発生しました。乗り継ぎを間違えて本来降りるべき Lago di Landro Dobbiaco を通り過ぎ、終点のドッビアーコ駅まで戻ってしまいました 😅
次のバスまで時間があったので、駅に隣接するマウンテンガイド協会を訪ねてみると、どこもオフシーズンに入りクライミング講習会は終了とのことでした。
そんな中、私が日本人であることを知ったスタッフさんが、「この冬、北海道にスキーに行く予定なんだ」と教えてくれ、つい「なぜドロミテで滑らないんですか!」と冗談を交わして大笑い。会話が盛り上がりすぎて、危うくまたバスを逃すところでした。
夕陽に照らされるアウロンツォ小屋 (Rifugio Auronzo
お昼過ぎ、ようやくアウロンツォ小屋 (2330m) に到着。ここで2泊することにしました。HB (宿泊+夕食+朝食) で1泊50€。料理はどれもボリューム満点で、2泊目は朝食だけでもよかったかな、と思うほどでした。
自分のベットを確保し、一息ついた後、まだ日が暮れるまで時間がたっぷりあったので、憧れのトレ・チーメ周回ハイキングに出かけました。
そこに広がっていたのは、想像以上の世界でした。鋭くそびえる尖峰と果てしなく広がる谷が織りなす絶景に、まるで別の星に来たような感覚を覚えました。
トレ・チーメ周辺には数えきれないほどのクライミングルートがあり、岩塔が空に向かって突き上がる姿は圧巻です。右端の「Gendarme」、その左の「Cima Piccolissima(Southeast Face)」、さらに「Punta Frida」「Cima Piccola」…どれも存在感に満ち、見る者を魅了します。
そしてついに、憧れの北壁が目の前に現れた瞬間。息をのむ迫力でした──が、なぜか涙が出るほどの感動には至りませんでした。おそらく、クライミング目的でここに立っていたなら、もっと深く心に響いたのかもしれません。でもこの時はまだ知らなかったのです。翌朝、あの北壁を前に、涙があふれるほど心を揺さぶられる瞬間が待っていることを。
遠くにはリフュージオ・ロカテッリ (Rifugio Locatelli) も見えました。もし昨日到着していればあそこに泊まれたのに…と、着替えのパンツをパッキングすることを忘れた自分をちょっぴり悔やみました 😅
トレ・チーメの北壁から Rifugio Locatelli まで広がる景色は、ただただ素晴らしいです。山歩きがあまり得意でない人でも、比較的簡単に歩けるでしょう。
おすすめは、整備されたメインルートを離れ、トレ・チーメにより近づけるルートを選ぶことです。そうすれば、その迫力や神秘にさらに心を奪われるはず。ただし、あまりに近すぎて写真に収まりきらないかもしれませんが 😂
唯一残念だったのは、歩いた時間帯が逆光で、写真に思うようにあの絶景を収められなかったことです。でもだからこそ、ぜひ自分の目で確かめ、心に焼き付けてほしいと強く思います。
感動の薄かったトレ・チーメ (Tre Cime) 周回ハイキングでしたが、次の日に見たトレ・チーメ (Tre Cime) 北壁は、その美しさに圧倒され、言葉を失うほどでした。続く。
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