アヌシー近郊の La Balme de Sillingy で午前中のクライミングを終え、昼食をすませたあと、いよいよブリアンソン(Briançon)へ向けて出発です。
アヌシーからブリアンソンまでは、ガリビエ峠(Col du Galibier)を越えて南下するルート。距離にして約200km、3時間ほどのドライブです。ずっと行ってみたかったブリアンソンが、いよいよ現実になる道のりでした。
ガリビエ峠手前の村、Les Verneys にて
峠に近づくにつれ、車窓の景色がどんどん山らしくなっていきます。そんな道中、峠の手前の村 Les Verneys で、思いがけないイベントに出会いました。
Les Verneys はヴァロワール地方に位置する山の村で、近くに牧草地を持たないという珍しい土地柄。その特性を逆手にとった「牧草アート展」が開催されていました。車を降りて、思わずしばらく眺め込んでしまいました。
展示のなかには、2020年に世界中へ大きな衝撃を与えたコロナウイルス(COVID-19)を模ったオブジェも。小さな子どもが「コロナ、コロナ!」と指さしながら歩いている姿が、なんとも時代を象徴する光景でした。
ガリビエ峠(Col du Galibier)を通過
標高2,642m。ツール・ド・フランスで何度も映像で見てきた、あのガリビエ峠を、自分の車で走っています。
あいにく小雨のぱらつく天気でしたが、霧に包まれた稜線と、眼下に広がる岩と雪のコントラストは、それだけで十分に迫力がありました。晴れていたらどれほど壮観だったか、と思いながらも、この峠を自転車で走り抜けているサイクリストたちを見て、ただただ頭が下がります。いつかは晴れた日にもう一度、この峠に立ちたいと思いました。
ブリアンソン(Briançon)到着
17時を過ぎた頃、ついにブリアンソンに到着しました。
空はどんよりと曇っていて、雨が今にも降り出しそうな気配。「さすがに今日は登れないだろう」と思っていたところ、クライミング仲間から「Rocher de L'Ombre、行ってみよう」の一声。着いた日にすぐ岩場へ向かえるとは思っていなかっただけに、少し嬉しい誤算でした。
Rocher de L'Ombre
4つのセクターから構成されるエリアです。この日は駐車場から最も近い Secteur 1 - Vacherin へ。初心者向けルートが9本ほど整備されたコンパクトなエリアで、はじめてのブリアンソンの岩の感触を確かめるには、ちょうどよい場所でした。
Secteur 1 - Vacherin
Choux à la crème (6a) FL
全体的にホールドは豊富で、登りやすい印象のルートです。ただし核心は最後のセクション。身長差が出やすいルートで、リーチのある人とそうでない人では、ムーブの組み立てがかなり変わってくると思います。
登り終えたところで、雨が本格的に降り出してきました。急いでギアをまとめて撤収です。
この夜のこと
雨宿りがてら近くのスーパーマーケット(Géant Casino)で食料を調達しながら、雨脚が弱まるのを待ちましたが、いっこうに止む気配がありません。
「どこかに泊まれる場所を探そう」と、スマートフォンを駆使して周辺のホテルやキャンプ場を調べましたが、空いているところが見つかりません。選択肢がどんどん減っていくなか、気がつけば外は暗くなっていました。
結局、閉店していたお店の軒先を借りて晩ごはんをすませました。雨音を聞きながら食べる夕食は、不便なはずなのに、なぜか悪い気分ではありませんでした。これがブリアンソンで最初の思い出です。
23時を過ぎた頃、ようやく雨が小降りになったので、あらかじめ目星をつけておいたテント適地へ移動。この日はそこで幕を閉じました。初日から、なかなかの洗礼です。
これから4日間、ブリアンソンでのクライミングが始まります。
Rocher de L'Ombre / Secteur 1 - Vacherin エリア
Choux à la crème (6a) FL
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