朝は霧に包まれていましたが、天気予報は晴れ。なんの不安もなく、この日のクライミングに向けて気持ちを整えます。
ただ、個人的にはこの日が最終日。クライミングを終えた後、一人で電車でストラスブールに戻る予定です。この日の個人的な核心は、クライミングではなく「無事に電車でストラスブールに戻れるか」でした 😄
そしてもう一つ、朝から空気が少し違いました。クライミングエリアを決める場面でメンバー間でひと悶着あったようで(フランス語が理解できない自分は完全に蚊帳の外でしたが)、せっかくなら今まで行ったことのないエリアに行きたいという声がある中、最終的には Baume-les-Dames (Sous-Buen) に落ち着きました。
付き合いが長くなれば、それぞれの主張が強くなることもある。こういう時にフランス語がわからないのは、ある意味ありがたいことです 😄 静かな対立をよそに、4ヶ月ぶりの Baume-les-Dames へ向かいました。もはや準ホームエリアといった感覚です。
Baume-les-Dames
Baume-les-Dames 近郊のアクセス・トポ・グレード感・宿泊・レストラン情報は 👉🏻 こちらの記事 にまとめています。
Le pilier des pirates (Hauteur 36m)
le flibustier (5c+) mOS
高さ35mほどの長いルート。日差しが強く暑い中でのクライミングでしたが、自分好みの多彩なムーブが続く、登り応えのある一本でした。このスケール感で (5c+) というのは、石灰岩らしい「グレード以上の充実感」がありました。
Escalator (Hauteur 20m)
L'usine du plein air (7a) FL
登るつもりはありませんでしたが、クライミング仲間たちが楽しそうにセッションしているのを見て、仲間に加えていただきました。中間部のアンダーホールドから、いかに怖がらず足を上げられるかがポイント。体感的には (6c/6c+) ほどでしたが、みんなと一緒に登れた喜びの方が大きかったです 😄
et diablo (7b) OS
まさかの (7b) オンサイト。個人的なOSグレードの更新です。 中間部の右手ショルダー体勢から左手の次のホールドが見えず、一瞬ヒヤリとしましたが、気合いで耐え切りました。体感グレードは (7a) ほどでしたが、そんなことはどうでもいい。オンサイトできた喜びは格別でした。
皆さんはまだクライミング中の早い時間帯でしたが (16:00pm)、この日に電車 🚃 でストラスブールまで戻らなくてはいけなかったので、個人的なクライミングは終了。皆さんの登りを見たり、写真を撮ったりしながら、配車待ち 🚗😁
電車の時間があるため、16時、まだ仲間たちがクライミングを続けている中、個人的なクライミングはここで終了。親切にも Ant君が車で Baume-les-Dames 駅まで送ってくれました。
クライミングエリア (Sous-Buen) から駅まで、車でわずか10分。駅でAnt君と感謝の握手を交わし、「またいつか」と再会を誓いました。楽しかったVesoul近郊の遠征が、これで終わるはずでした。
ここから始まる、忘れられない帰路 🚃
Baume-les-Dames駅からストラスブールまでは、TER(地域快速列車)で約2時間30分(34.3€)。直通列車はなく、ベルフォール(Belfort)とミュルーズ(Mulhouse)で乗り換えが必要です。
18時過ぎの電車でまずはベルフォールへ。乗り換えホームが別の場所だったため、念のため近くにいた方に確認してから乗車。「これでミュルーズまで順調に行ける」と安心したところで、Ant君から確認のメッセージが届きました。こういう優しさが、本当にありがたい。
温かい気持ちで電車に揺られていると、イルフュート(Illfurth)駅で異変が起きました。
イルフュート (Illfurth) 駅での異変
電車が止まったまま、5分が経過しました。よくあることと思っていましたが、10分が経っても動きません。車内を行き来する人が現れ始め、20分が経つ頃には運転手に状況を聞きに行く乗客がパラパラと現れました。車内放送はなく、何らかのトラブルが起きていることだけはわかります。
さらに20分ほどが経過したところで、乗客全員が電車の外へ降ろされました。プラットフォームで何が起きているのかもわからないまま、ただひたすら待ちます。
することもなかったので、まだ Baume-les-Dames の Sous-Buen で登っているクライミング仲間たちに現状をメッセージで送ってみると、みなさん心配して状況を調べてくれたり、温かい返事を送ってくれました。岩場にいる仲間たちの優しさが、この奇妙な状況の救いでした。
そして信じられないことが起きました。
私たちを乗せてきた電車が、乗客をホームに置いたまま、ミュルーズ方面へ走り去っていきました。呆然と見送ること、さらに約1時間。やっと代替の電車が到着し、乗り込むことができました。
電車内では乗務員の方が、今回の件について説明していましたが、そのトーンが実に軽快でユーモラス。不満をぶつける乗客も特になく、なんとも不思議な空気でした。クライミング仲間から連絡が届くたびに「まだ足止め中です」と返信しながら、日本とフランスの文化の違いを改めて感じました。日本であれば車内アナウンスと謝罪が繰り返されるところですが、ここはフランス。こういうことも、遠征の一部です 😄
ミュルーズからストラスブールへ
どうにかミュルーズ(Mulhouse)駅に到着。ストラスブール方面に向かう乗客の中に、TGVへの振り替えを交渉している方がいたので便乗して付いていきましたが、結局却下。TER(21時16分発、この電車も遅延して出発しましたが)でストラスブールへ向かうことになりました。
予定より2時間30分遅れ、22時20分過ぎにようやくストラスブール駅に到着。クライミング仲間たちに無事到着の連絡と感謝のメッセージを送り、楽しかったVesoul近郊のクライミングツアーが本当の意味で幕を閉じました。
いつの日かこの遠征を振り返った時、きっと最初に思い出すのはet diablo(7b)のオンサイトではなく、イルフュート駅での電車トラブルだと思います 😄
ローカルすぎる岩場、雨の日の古城と教会めぐり、そして電車の珍道中。クライミングの成果だけが遠征の価値ではないということを、改めて感じた3日間でした。クライミング仲間たちの温かさと、思いがけない出来事の数々に感謝しながら、次の遠征に思いを馳せます。
皆様、お疲れ様でした。またいつか、一緒に岩へ向かいましょう。
クライミングの成果:
Le principal est dans le BBQ
SiKT (5c) mOS・Chouette (6a) mOS・La pelletiérine (6a+) mOS・La fissure du triangle : droite (6b) FL・22. (6a?) FL・25. (7a) RP
Baume-les-Dames, Sous-Buen
le flibustier (5c+) mOS・L'usine du plein air Sportive (7a) FL・et diablo (7b) OS
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