深夜から激しい雨が降り続き、朝からどんよりとした空が広がりました。クライミングは諦めて、まったりとした朝をゆっくり過ごしました。
お昼過ぎに合流した第二陣のメンバーと共に、この地域の観光に出かけることになりました。クライミング遠征中に雨に降られるのは残念ではありますが、一人ではなかなか訪れることのないローカルな村を散策できるのも、仲間との遠征ならではの楽しみです。こんな遠征がなければ、足を踏み入れることもなかったであろう場所へ。
Église Saint-Pancrace:モザイク模様の屋根を持つ小さな教会
最初に訪れたのは、Château de Ray-sur-Saône近くにあるÉglise Saint-Pancrace(サン=パンクラス教会)。一見するとこじんまりとした普通の村の教会ですが、モザイク模様の美しい屋根が目を引きます。
実はこの建物、内陣(祭壇の奥)・身廊(礼拝堂のメインスペース)・時計塔(鐘楼)が、数百年をかけて部分ごとに造り足されてきた歴史を持ちます。中に入ると、歴史の重みを感じさせる静かな空間が広がっています。
壁に飾られたキリストに関する教えを描いた古い絵画は、長い年月を経た色合いがなんとも言えない趣を醸し出しています。フランス人のクライミング仲間が丁寧に歴史的な背景を説明してくれましたが、フランス語の理解力が追いつかないのが悔やまれます 😄
教会の近くには、かつて村人が洗濯や食器洗いに使っていた洗い場も残っていました。現代ではほとんど見かけることのない光景に、この地域の歴史の深さを感じます。
Château de Ray-sur-Saône:10世紀起源の古城
続いて向かったのはChâteau de Ray-sur-Saône。その起源は10世紀にまでさかのぼる古い要塞(城砦)です。中世には14もの塔を持つフランシュ=コンテ地方最大の要塞として君臨しましたが、その後幾度もの戦争による破壊と再建を繰り返してきた、波乱の歴史を持つ城です。
現在はガイド付きツアーで内部見学もできますが、修復工事中ということもあり、今回は外観とお庭の見学にとどめました。
広く丁寧に整備されたお庭と、城から見下ろすソーヌ川(Saône)の眺めは格別です。雨の日でもこれだけの趣があるのですから、晴れた日の眺めはさぞかし絶景だろうと想像せずにはいられません。ぜひ晴れた日に再訪したいと思わせる場所でした。
Grayの街へ:ソーヌ川沿いの静かな街並み
ソーヌ川沿いに位置する Gray (グレ) の街へも立ち寄りました。川から眺める街並みは、時間がゆっくりと流れているような、静かで落ち着いた雰囲気です。観光地化されていない素朴な佇まいが、かえって心に残ります。
バロン・マルタン美術館(Musée Baron Martin)
時間の関係で内部には入れませんでしたが、テラスから眺める Gray の街並みとソーヌ川のパノラマは素晴らしいものでした。晴れていれば、さらに美しい景色が広がることでしょう。
Basilique Notre-Dame de Gray:荘厳な空間に息を呑む
Grayのシンボルとも言えるBasilique Notre-Dame de Grayにも足を運びました。
シンプルな外観からは想像できないほど、内部は荘厳な空間が広がっています。美しく装飾された祭壇、歴史的なパイプオルガン、精緻な彫刻。思わず足を止めてしまいました。雨の日の静かな教会には、また格別な雰囲気があります。
この夜はガレット
観光から戻ると、新たな合流でメンバーも増え、夕食は賑やかなガレットパーティーになりました。ガレットを食べたことはありましたが、自分でトッピングを選んで包むスタイルは初めての体験。何を入れればいいのか迷いながらも、試行錯誤しながら楽しみました。クライミングができない雨の日でも、こういう時間がまた遠征の記憶を豊かにしてくれます。
毎日知らないクライミングエリアで登り続けるのも遠征の醍醐味ですが、雨で登れない日に訪れた教会、古城、川沿いの街並みは、クライミングとは違う形でこの地域の魅力を教えてくれました。一人旅では絶対に足を踏み入れることのなかっただろう場所を、クライミング仲間と一緒に歩けたことは、遠征の大切な思い出のひとつになりました。
明日はいよいよ遠征最終日。晴れることを祈りながら眠りにつきました。
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