Vesoul(ブズール)ってどこ?ローカルすぎる岩場「Carrière d'Échenoz:Le principal est dans le BBQ」でクライミング

「何もないところだよ」 

行き先を聞いたフランス人のクライミング仲間の答えが、すべてを物語っていました。今回の遠征のベースとなるのは、Vesoul(ブズール)よりも南西にある小さな村。バックパッカースタイルで2年6ヶ月かけて世界一周から帰ってきたAnt君の実家です。ご両親がヴァカンスで不在の間、その広々としたお宅を丸ごとお借りしてクライミングに出かけるという、なんともありがたい計画です。 

ストラスブールから4時間弱のドライブ。車窓から広がる風景は、満開の向日葵畑、家畜の餌用のトウモロコシ畑、そして広大な牧草地に放牧された牛たち。山のないフランスののどかな農村風景は、私の住むアルザスとはまったく異なる顔を持っています。フランスが農業大国であることを、改めて肌で実感した道中でした。


到着の夜はフレンチスタイルのBBQ

到着した夜は、さっそくBBQでお出迎えしてくれました。フランスのBBQといえば「とりあえずソーセージを焼く」という勝手なイメージがありましたが、それは私の偏見だったようです。この日はチキンを豪快に炭火で焼き上げてくれました。 

前菜の瑞々しいサラダから始まり、メインのジューシーなチキン、地元のチーズ、そしてデザートは自家製ヨーグルト。簡素ながらもどこまでも続くフレンチスタイルのコース仕立ては、長距離ドライブの疲れをすっきりと忘れさせてくれました。

翌日は Echenoz la Méline へ 

翌朝向かったのは、Echenoz la Méline(エシュノ=ラ=メリーヌ)にある Le principal est dans le BBQ セクター。前夜のBBQに続いて、またBBQか、と思わずにはいられない名前です 😄 

このセクター名は、フランス語の格言「Le principal est dans le pré(肝心なことは自然の中でのんびり過ごすこと)」をもじったもの。その名の通り、岩のふもとが広く平坦で安全なため、地元クラブ(CAF Vesoul)のメンバーが本当にバーベキューグリルを持ち込んで、肉を焼きながら1日中クライミングを楽しむ憩いの場になっているそうです。


Echenoz la Mélineとは? 

正式名称は Carrière d'Échenoz、または Falaise d'Échenoz-la-Méline。オート=ソーヌ県 (Haute-Saône) に位置する、比較的コンパクトなクライミングエリアです (GPS:47.582813, 6.138945)。

駐車場から平坦な道を歩いてわずか2分というアクセスの良さも魅力で、子供連れのファミリークライマーにも人気のエリアです。 

比較的狭い範囲に5つのクライミングセクターがあり、(3b〜7a) まで 約76本 のルートが整備されています。初心者から中級者が楽しめるルートが中心で、地元クラブが愛用する理由がよくわかります。

【トポ情報】

かつてCAF VesoulのウェブサイトでPDF公開されていましたが、現在はFFCAM管理の紙トポ(Topo Haute-Saône / Territoire de Belfort)としてまとめられています。


登ったルート

昨夜の雨が心配でしたが、岩は意外と乾いていてクライミングが可能な状態でした。ただし湿度が高く、蒸し暑い一日でした。


SiKT (5c) mOS

「これ本当に5cなの?」と思わずにはいられない一本。中間部も手強かったですが、最後のボルトから終了点までのセクションは特にシビアでした。砂岩特有のフリクションに助けられながら、なんとかオンサイト。


Chouette (6a) mOS

先ほどのSiKT (5c) よりは素直な印象。グレード通りの6aという感覚でした。


La pelletiérine (6a+) mOS

Chouette (6a) との違いがあまりわからないほど、似た印象のルートでした。


La fissure du triangle : droite (6b) FL

トポでは左側で終わるルートですが、終了点がなかったため、La pelletiérine(6a+)と同じ終了点を使いました。OSトライであれば、もう少し手強く感じたかもしれません。

軽くランチを挟んで、右側のエリアへ移動。こちらは壁にルート名もグレードも表示されておらず、トポ情報もなし。Luc 君が先に登ってクイックドローを掛けてくれた、かすかな情報を頼りに登るという、冒険的なクライミングになりました。でも、グレードの先入観なしに純粋に目の前の岩と向き合うのは、本来のクライミングの楽しさでもあります。


22. (6a?) FL

体感は6aほど。グレード表示がない中で登るのは、良い意味で先入観なく岩と向き合える体験でした。


25. (7a) RP

このルートについて、Ant君が CAF Vesoul に直接電話で問い合わせてくれました。「右側のクラックを使わなければ7a」とのこと。地元のクラブに気軽に電話で確認するという文化に、思わず驚かされました。 

Attempt 1 : 中間部の核心部で詰まりました。左側のクラックが遠く届かない。テンション。足をどこに上げればいいか探っていると、ボルト左斜め上のかなり高い位置に左足を置くことで、左手がクラックの真ん中に届くことがわかりました。 

Attempt 2 : ムーブが解決できたことで、核心部は一手もの。グレード的には6c〜6c+ほどの体感でしたが、ムーブを見つけた時の達成感は格別でした。


クライミング終了後、ちょうどローカルな親子連れのクライマーが来ていたので、この辺りのおすすめエリアを聞いてみました。 

「Baume-les-Damesかな」

 その答えに、思わず全員で顔を見合わせました。せっかくここまで南下してきたのに、まさかのストラスブール方面への逆戻り。クライミングの世界は広いようで、やはり本当に良い岩場には自然と人が集まるようです。

この夜もフレンチスタイルで 

Luc君がメインシェフとなって夕食を準備してくれました。アペリティフから始まり、サラダ、メイン、チーズ、そして締めくくりは自家製アレンジのヨーグルト。簡素ながらもどこまでも続くフレンチスタイルは、遠征の夜をいつも豊かなものにしてくれます。 


明日は雨の予報。クライミングはお預けになりそうです。


活動内容:Ant・Luc・Jér

1日目・Echenoz la Méline:Le principal est dans le BBQ Sector

SiKT(5c)mOS・Chouette(6a)mOS・La pelletiérine(6a+)mOS・La fissure du triangle:droite(6b)FL・22番(6a?)FL・25番(7a)RP

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