天気予報が外れました。朝目を覚ますと、昨日の寒さが嘘のような快晴の青空 ☀️ 風は冷たいものの、クライミング日和には十分です。「こんなに晴れるとわかっていたら、昨夜の飲み会をもう少しセーブしたのに」と思いながらも、気持ちは自然と岩へ向かいます。
午前中はまだ岩が冷たいということもあり、みなさんゆっくりと起床。昨年夏のツアーでは8時30分過ぎには全員起きていましたが、今回は10時過ぎというのんびりしたスタートでした。
朝食はパン、パテ、チーズ、牛乳、コーヒー、そしてお馴染みの「ウフ・ア・ラ・コック(œuf à la coque)」。このとろとろの半熟卵をパンに絡めて食べるスタイルは、クライミング仲間の定番の始まり方です。みなさん本当に卵好きですね。
この日は初めてのジュラ県 (Jura) へ
向かったのは Crenans エリア。 宿泊場所から車で約1時間南に走ったところにある岩場です。
これまで登っていた Rurey や La Barmaud はすべてドゥー県 (Doubs) のエリアでしたが、この Crenan はジュラ県 (Jura) に位置しています。個人的には初めてのジュラ県でのクライミングです。ちなみにジュラ県はドゥー県の南西側に位置しており、このブログで「ジュラ山脈」と表記しているエリアとは行政区分が異なります。
黒と黄色のストライプ模様、そしてコルネ (石灰岩特有の突起状のホールド) が壁に散らばる光景を見ると、「石灰岩のエリアに来た」という実感が湧いてきます。
Crenansエリアとは?
Crenansは標高680mに位置する、設備の整ったスポーツクライミングエリア (site sportif) です。53ルートが整備されており、グレードは4台から8台まで幅広く揃っています。特に6台のルートが26本と最も充実しており、中級者が存分に楽しめる構成です。
ルート長は10〜25mで、60mロープがあれば対応できます。設備はケミカルアンカーと拡張ボルトが適切に配置されており、状態は「非常に優れている (Excellent)」と評価されています。
岩質は彫刻のような造形が特徴的な高品質な石灰岩。前傾壁 (déversante) でのパワフルなクライミングが中心ですが、美しい垂直スラブ (dalles verticales) も楽しめるバラエティーに富んだエリアです。
向きは西向きで、ベストシーズンは4月〜11月。夏場は午後14時まで日陰になるため、暑い季節でも午前中は快適に登れます。逆に14時頃からは日が当たるため、秋や春の訪問では午後からが狙い目です。
エリアは4つのセクターに分かれています:
Secteur de la Dalle:垂直に近い繊細なスラブが楽しめるエリア
Secteur les Dévers:前傾したパワフルなルートが集まるエリア
Secteur de la Commère:中央付近に位置するセクター
Secteur Initiation:初心者や入門者向けのエリア
アクセスはモワラン=アン=モンターニュ (Moirans-en-Montagne) から D296 道路を通り Crenans の村へ。村にある泉のところで右折すると岩壁が視界に入ります。貯水池付近のカーブ右側に駐車し、道路を渡って固定ロープが設置された小さな岩を登ると、そこから100mほどで岩場に到着です。駐車場から徒歩約5分という抜群のアクセスの良さも魅力のひとつです。
また、岩場にはルート名が直接書かれているため、トポだけでは見つけにくいルートも探しやすく、初めて訪れる方にも親切な設計です。
Secteur de la Commère
Pacte de stabilité (6a) FL
13時30分を過ぎていましたが、まだ日陰で岩が冷たい状態でした。前日の寒さの余韻が残る中でのウォームアップ。体を慣らしながら、このエリアの岩の感触をつかんでいきました。
En avant, tête de thon (6b) FL
全体的には登りやすいルートでしたが、最後のボルトから終了点への一手でどのホールドを使えばいいのかわからず、思わずヒヤリとしました。果たして自分のムーブが正解だったのかは、今でも半信半疑です。
Secteur:les dévers
Boulevard des stars (6a) FL
出だしが少し窮屈でしたが、それほど問題なく抜けられました。核心部は終了点へのクリップ体勢。予想以上にアンバランスな体勢を強いられ、集中力が試される場面でした。
A trois d'sus (7a+) lead-TO
この日最後に選んだ、見栄えのするルートです。垂壁の離陸から始まり、傾斜のあるクラックを越えて右側へトラバース、最終的に隣の Scorpion Versace (6c+) の終了点に合流するラインです。
クラックに入る前の箇所で耐えられずテンション。その後はテンテンで登りながらムーブを探りました。トラバースのセクションは最初わかりにくかったのですが、足を入れ替えてから右足ヒールフック、そして右奥のクラックをサイドプルするシーケンスを発見。なかなか面白い構成のルートで、もう一度トライしたかったのですが、時間切れとなりました。
19時過ぎにクライミング終了。
この夜も La Finette で
夜は昨年夏にも訪れたアルボワ (Arbois) のLa Finette, Taverne d'Arboisへ。 今回はお店のおすすめということで、ジュラ県の修道院 (Saint-Pierre修道院) で作られているというブロンドビール (Abbaye De Baume Les Messieurs BLONDE) を注文してみました。ブロンドビールらしからぬしっかりとした味わいで、個人的には少し意外でした。
個人的に注文したメニューはオニオングラタンスープ、フォンデュ・オ・コンテ(コンテチーズのフォンデュ)、クレームブリュレ。昨年に続いてチーズフォンデュを注文してしまいましたが、やはり食べ過ぎました。
そしてこの夜、忘れられないハプニングが。注文したワインの味がおかしいとクライミング仲間がクレームをつけると、お店が快く新しいボトルに交換してくれたのです。確かに最初のボトルと後のボトルでは明らかに味が違いました。「ワインって保存の仕方で味が変わるのよね」という仲間の言葉が印象的でした。ワインの微妙な違いを見抜いてクレームをつける仲間にも、それを快く受け入れるお店の対応にも、フランス文化の奥深さを感じた瞬間でした。
食事の後は宿泊地に戻って有志による2次会 🍺 楽しい夜はなかなか終わりません。
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