クレベール広場に巨大ツリーが彩る
「クリスマスの首都(Capitale de Noël)」として知られる、フランス・ストラスブール。その名の通り、街全体が光に包まれ、心まで温かくなる季節がまもなく訪れます。
ストラスブールのクリスマスマーケットを語るうえで欠かせないのが、旧市街の中心にあるクレベール広場 (Place Kléber) の巨大なクリスマスツリーです。
樹齢70年以上の大木 ― 自然の恵みと職人技が生む美しさ
2025年のツリーは、ヴォージュ山脈のモーゼル県・サン=キラン国有林で10月20日に伐採され、24日にクレベール広場へと運ばれました。高さ約30メートル、重さおよそ8トン、樹齢は70〜80年。自然の力強さと優しさを感じさせる、堂々たる姿です。
先週まで穏やかだった秋空は、今週に入り雨模様が続いています。それでも、このツリーが登場すると街の空気は一変し、冬の訪れを告げる華やかなムードが広がりました。
クレベール広場にて:まだお化粧前のツリー。枝の寝ぐせ、ただいま調整中
設置されたばかりのツリーを見て、「少し形がいびつかも」と思う人もいるかもしれません。けれども、これから職人たちの手によって丁寧に剪定や補正が行われ、枝を移植して理想的な形へと整えられます。
約3週間をかけてライトやオーナメントが施され、クリスマスマーケットが始まる冬の夜空に輝く頃には、まるで絵本の1ページのような幻想的な光景に変化します。訪れる人々を温かく包み込む、美しいツリーへと生まれ変わります。
2025年のテーマ:「Authentique et Chaleureux」― 本物の温もりを大切に
今年のストラスブール・クリスマスマーケット全体テーマは、« Authentique et Chaleureux » (本物らしさと温かさ)。 長い歴史を誇る伝統的なクリスマスを、素朴で人のぬくもりを感じる形で表現するのが特徴です。
また、装飾テーマは « La Couronne » (王冠)。 王冠の円形には「永遠」や「つながり」という意味が込められており、家族や友人と過ごすクリスマスの絆を象徴しています。 クレベール広場のツリーにも、このテーマに合わせた装飾が施される予定で、光と金の輪が織りなす荘厳で温かな雰囲気が期待されています。
毎年語り継がれる、ツリーの“物語”
ストラスブールのクリスマスツリーには、これまでにさまざまなエピソードがあります。2013年にはツリーが傾いたままシーズンを迎えるというハプニングがあり、2017年には安全上の理由から急遽別の木に交換される出来事もありました。それでも、ストラスブールの人々にとってこのツリーは冬の象徴であり、変わらず愛され続けています。2025年のツリーは今のところ安定しており、準備も順調のようです。どんな輝きを見せてくれるのか、今から楽しみです。
ストラスブール・クリスマスマーケットは11月26日スタート!
2025年のストラスブール・クリスマスマーケットは、11月26日 (水) から12月24日 (水) まで 開催予定です。
クレベール広場を中心に、街中がイルミネーションで彩られ、木製の屋台 (シャレー) が並びます。
ホットワインの香りに包まれながら、地元のお菓子や手作り雑貨を楽しむ時間は、まさに「ヨーロッパの冬」を体感できるひととき。歩くだけで心が温まる、そんな冬のストラスブールが再び輝きを取り戻します。
ストラスブール・クリスマスマーケットをもっと楽しむために
巨大ツリーを中心にご紹介してきましたが、ストラスブールの魅力はそれだけではありません。歴史ある旧市街、プティット・フランス地区の運河沿いの屋台、そして大聖堂前のイルミネーション… どこを歩いても物語のような光景に出会えます。石畳の上に反射する灯りを眺めながらヴァン・ショー (ホットワイン) を飲む時間は、寒ささえも心地よく感じられるひとときになることでしょう。
さらに詳しい情報は、以下のサイトも参考になると思います。
昨年の様子 👉🏻「2024年ストラスブール・クリスマスマーケットの様子」
公式サイト 👉🏻 Noël à Strasbourg
また訪れたくなる冬の余韻を
この街のクリスマスは、豪華さよりも人の温かさと伝統の美しさを感じる時間です。 夜のクレベール広場でツリーを見上げる瞬間、きっとあなたの心にも静かな灯りがともるはず。2025年のストラスブールで、「本物らしく、温かい」クリスマスを。
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