フランスでは葡萄の収穫シーズンが終盤に差しかかる秋、スーパーマーケットでは恒例の「ワインフェア(Foire aux Vins)」が始まります。週末にふらっと立ち寄ってみると、そこはまるでワインの迷路。赤、白、ロゼ…ずらりと並んだボトルの数は、ざっと見ても200種類以上!
「こんなにたくさんあって、どれを選べばいいの…?」
毎年ワインの棚を前に途方に暮れていた私ですが、今年のテーマは少し違います。
それは――
「生成AIを使って、賢くワインを選ぶこと」
ソムリエでも専門家でもない、ただのワイン好きの私が、AIの力を借りて10€以下の掘り出し物を探してみました。普段はラングドックや南西地方のコスパ抜群な赤ワイン、メルロー主体のサンテミリオンが定番ですが、今年は“AIセレクト”で新たな出会いを求めてみることにしました。
生成AIとのワイン探し、舞台裏
最初はスーパーのワインフェアのカタログを生成AIにアップロードし、「評判の良い赤ワインを教えて」と気軽に質問してみました。ところが、ファイルのデータが重すぎて、すぐに使用制限に達するトラブルが続出。なかなか思うように会話が進みません。
そこで方針を変更。まず NotebookLM でカタログを文字起こしし、ワイン名・産地・価格を整理して一覧表を作成。その表をもとに、Gemini の Deep Research でレビューや評価を徹底的にリサーチしました。特に10€以下のワインは日本語の情報がほとんどなく、生成AIには「フランス語のレビューを参考にして」と指示。さらに、フランスの定番ワインガイド『Guide Hachette des Vins』の評価も活用しました。試行錯誤の連続でしたが、少しずつAIが“自分好みの一本”を提案してくれるようになってきたのです。
生成AIと私が選んだ注目の5本!
いくつもの候補の中から、最終的に選んだのはこの5本。どれも10€以下 (Franc Beauséjourを除く) で気軽に楽しめる赤ワインです。
1️⃣ AIがすすめたワイン
Château Beaufort (Minervois) 2019:
5.49€
2019年ヴィンテージは『Guide Hachette des Vins 2022』で2つ星および「Coup de cœur」を獲得。 その豊かな果実味と滑らかなタンニンが高く評価されています。
ブドウの品種 (Cépages) :Grenache、Syrah、Vieux Carigan
飲み頃:2022〜2030年
→ 「すべてが調和しており、ずうずうしいほどの魅力」という評価に惹かれて購入。
Château La Varière (Anjou) 2023:
3.57€
2023年ヴィンテージは『Guide Hachette des Vins 2025』で1つ星 。Mundus Vini 2025で銀賞受賞
ロワール地方アンジューの赤。カベルネ・フランとカベルネ・ソーヴィニヨン主体。フルーティーで丸みのある味わいが特徴。フレッシュさと果実の表現力が優れており、若いうちから楽しめる親しみやすいスタイル。
ブドウの品種 (Cépages) :2018年ヴィンテージでは、カベルネ・ソーヴィニヨンが60%、メルローが30%、カベルネ・フランとプティ・ヴェルドが各5%
2️⃣ AIはスルーしたけれど、私が気になった高評価ワイン
Château Bertin (Saint-Georges-Saint-Émilion) 2023:
8.4
8.99€
パリ農業コンクール(Concours Général Agricole de Paris)で銀賞
ブドウに品種 (Cépages) :Merlot 80 %、Cabernet Franc 20 %
熟成の可能性: 2023年ヴィンテージは、最大6年間(〜2029年頃)が飲み頃の目安とされています。
Château Laroze Labatisse (Haut-Médoc) 2023
8.1
4.95€
ブドウの品種 (Cépages) :Cabernet Sauvignon 60 %、Merlot 40 %
どちらもフェアの評価欄で高得点。生成AIのリストにはなかったけれど、見逃せませんでした。
3️⃣ 生成AIとの会話から生まれた「憧れの産地ワイン」
Franc Beauséjour (Pauillac) 2022
12.95€
ブドウの品種 (Cépages) :67% Merlot / 33% Cabernet Sauvignon
→ 「Pauillacは高級ワインの宝庫ですよ!」という生成AIの一言で、思わず手に取りました。
このワインは「ネゴシアン(ワイン商)ブランド」です。つまり、自社畑を持つシャトーではなく、ボルドーの複数生産者から仕入れたブドウやワインをブレンドして販売するタイプです。
ポイヤック地区のAOC(原産地呼称)ワインなので、地域の規定を満たす正式なポイヤック産赤ワインです。ただし「格付けシャトー」ではなく、手頃にポイヤックらしい味を楽しめるワインとして位置づけられます。
テイスティングはこれからのお楽しみ!
まだどのワインも開けていませんが、これから少しずつ試していく予定です。果たしてAIのおすすめは当たりだったのか、それとも自分の直感が勝るのか?実際の味わいや感想は、実際に飲んでから追記していきますのでお楽しみに。
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