フランス語で色を説明するのは意外と難しい:クライミングジムのテープ課題編

名詞の性・数に応じて変化する:フランス語では形容する物の性によって、「色」も男性系、女性系と変化します。

しかし、「物 (名詞) =食べ物、植物、物質などが語源」が元になっている色は性・数に一致させず、常に 不変形です。

クライミングジムで「君がトライした赤の6c (どうだった)?」ってフランス語で聞きたい時は、どう言えばいいの?

Alors, le 6c rouge que t’as essayé ?

C'était comment, le 6c rouge ?


ちなみに、会話では「le rouge」だけで通じることもあります:

T’as essayé le rouge ?

赤いのやった?

ただし、色だけでルートを呼ぶ場合は文脈が共有されている場合に限り使います。


👉🏻「rouge(赤)」は形容詞ですが、「le rouge」と言うと、これは: 

✅ 名詞化された表現で、 

👉🏻 男性名詞として扱われます。


フランス語では、色の名前を名詞として使うときは、たいてい男性名詞として扱われるのが基本なんです。ただし、色が名詞ではなく形容詞として使われるときは、修飾する名詞の性数に合わせて変化するので注意が必要です。


Tu as essayé le rouge ? → 「赤いやつやった?」 

Le rouge était dur. → 「赤は難しかったよ」 

この「le rouge」は、「la voie rouge(赤ルート)」の略ですが、慣れてくると色名だけでルートを呼ぶのが普通です。


でもクライミング友の中には「la rouge」と言っている人もいます😬

✅ 「la rouge」が使われる理由: 

これは実は「la voie rouge (赤いルート)」の省略形なんです。 フランス語の「voie (ルート)」は女性名詞。つまり、la voie rouge → la rouge (省略)

さらにややこしい!クライミングジムでの使い方: 

ルートクライミングでは「voie(ルート)」が女性名詞なので「la rouge」も多い。 

ボルダリングでは「bloc(ボルダー課題)」が男性名詞なので「le rouge」と言われることが多い。


ちなみに「紫のルート」「紫の課題」は:

la voie violette

le bloc violet


会話例: 

T’as essayé la violette ? (ルートで) 

Le violet, en 6b, est nouveau. (ボルダーで)

なぜワインは「vin rosé」なのに、例えばスカートなら「une jupe rose」になるのはなぜ? 

「vin rosé」は「バラ色に仕上げたワイン」という意味合いで、ワインの製法に由来する専門用語です。 単なる「ピンク色のワイン」という意味ではなく、「赤ワインと白ワインの中間的な製法で作られたワイン」というカテゴリ名なんです。


「rose」は形容詞 

「rose」は色を表す形容詞で、「ピンク色の」という意味です。 

形容詞なので、通常は名詞の性と数に一致しますが、「rose」は不変形の色の形容詞に近く、ほとんど変化しません(女性形でも「rose」、複数形では「roses」)。 

例: une jupe rose(ピンクのスカート)、des fleurs roses(ピンクの花々) 

 

「rosé」は過去分詞由来の名詞 

「rosé」はもともと「rosé(バラ色になった)」という過去分詞に由来する言葉で、ワインの種類を表す名詞です。 形容詞ではなく、男性名詞なので、冠詞と一緒に使います: du vin rosé(ロゼワイン)、un rosé bien frais(よく冷えたロゼ)


補足:結論から言うと、「rosé」はほぼワインに特化して使われる語ですが、文脈によっては他の使い方もあり得ます。以下に詳しく説明します。

✅ 普通は「rosé = ロゼワイン」の意味

日常のフランス語では「rosé」と言えばまずワインのこと。 

例:On boit un verre de rosé ? (ロゼワイン一杯飲む?)


✅ ただし、もともと「rosé」は形容詞・過去分詞だった

「rosé」は動詞「rosir (赤みを帯びる/バラ色になる)」の過去分詞形で、 文語や詩的表現では「赤みを帯びた」「バラ色がかった」という意味で使われることもあります。 

例 (文学的な表現):Un ciel rosé par le lever du soleil (朝日でバラ色になった空)

これは少し詩的な表現で、日常会話ではあまり使われません。


✅ 色として使いたいなら基本は「rose」 

色として「ピンク」を表すなら、一般的には必ず「rose」を使います。 

une robe rose (ピンクのドレス) 

des murs rose (ピンク色の壁)


補足2:食べ物や化粧品の世界では? 

商品名や説明文では「rosé」が使われることもありますが、それは「ロゼワインのような色」「バラ色がかった何か」という連想を利用しているだけです。 

例:blush rosé(ロゼ色のチーク) でも、これは「商品名」的な使われ方であって、文法的には「rose」が正統派です。 

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