イタリアの隠れた名所!オルコ渓谷で初めてのクライミングは Droide di S. Menerio

この夏、Andrea君とイタリアのオルコ渓谷 (Valle dell'Orco) でクライミングを楽しむ機会がありました。オルコ渓谷をご存知でしょうか?私はこの話が出るまで全く知らなかったのですが、実はクライミング愛好者、特にクラッククライミングをする人にはぜひ知ってほしい場所です。


オルコ渓谷は、グラン・パラディーゾ国立公園 (Gran Paradiso National Park) に位置し、トリノ (Torino) の北側、ミラノ (Milano) の西側にあります。登山好きなら、アオスタ (Aosta) の南側にある渓谷と言えばピンとくるかもしれませんね。トリノ市街から車で約2時間でアクセスできるため、非常に便利です。


このオルコ渓谷、実は西ヨーロッパアルプスで最高のクラッククライミングエリアの一つとして知られています。片麻岩 (gneiss) が作り出す美しいクラックは花崗岩に似た質感を持ち、「イタリアのリトルヨセミテ」とも呼ばれているのです。


Droide di S. Menerioでのクライミング

初日は、オルコ渓谷にあるDroide di S. Menerioという岩場に登りに行きました。ここはトラッドクライミングとスポーツクライミングの両方が楽しめる場所で、特にオルコ渓谷でボルトが打たれたスポーツクライミングを楽しみたい人にとって貴重なエリアです。Droideはオルコ渓谷では珍しい、美しい白い壁の花崗岩の岩場で、駐車場からは約15分で到着します。ルート数は28あり、最大高さは20mほど。クラック、コーナー、スラブ、カンテとさまざまなクライミングスタイルを楽しむことができます。

Droide di S. Menerio


SALISALAMA (5b) mOS 

warming-up


ONDA LUNARE (6c) OS

SALISALAMAの隣のルート。中間部で迷いましたが、うまく修正して登れました。 


DIRETTA DELL’ONDA (7a+) m.lead-TO 

ONDA LUNARE (6c) があっさりと登れたので、見栄えのする隣のカンテルートをトライすることに。3ボルト目から4ボルト目周辺の登り方がわからずスタック。初めは「直登気味に登るのかな?」と思っていたけれど、おそらく左側にトラバースしてカンテに沿って登るのが正解なのかも?それでも2手ほど手のホールドが甘くて難しい。おそらく左足の使い方が重要だと思うけれど解決できず。その後も易しくは無いけれどなんとかなりそうな感じで終了。


LIBALTINA (4a) + LIBALTONE (6a+) mFL 

(4a) のスラブから (6a+) の垂壁を繋ぐルート。終了点手前のホールドに気づけば問題なし。


BLIK BLOK (7a) m.lead-TO 

Attempt 1 : 「中間部にある小さなオーバーハングが核心なのかな?」と思っていたら出だしのカチゾーンが難しいことがわかる。右足を置く位置がポイントだけど、解決できず。左手カチから遠い右手カチに繋ぎ、左足を高いガバまで上げてから右足をボルト近くに上げて、やや右側にあるカチに左手をとばす。そこから小さなオーバーハングへ。最初はホールドがわからなかったけれど、左手カチから体を引きつけて、右手をガバポケットに飛ばせばいいことがわかる。その後は、左手で奥にあるカチを掴み、体を上げて、右手ピンチ、足を入れ替えてからクリップ。その後に続くコーナーも簡単では無いけれど、ガバホールドはあるので、落ち着いて探せば問題なし。

Attempt 2 : やはり最初のカチムーブがわからない。最終的には、左手カチ、右手縦カチ、左足を上げてから、右足をボルト近くまで上げるムーブが良さそうなことがわかる。小さなオーバーハング超えのムーブは固まっていたけれど、左手カチで体を引きつけてから、右手クロスで遠いポケットを取りに行くムーブは、体の引き付けが弱いとホールドが見えないのでなかなかトリッキーな感じ。 

Attempt 3 :ようやく日陰になり、風も吹いてコンディションがよくなった感じがしたので、「もしかして登れるかも?」と淡い期待はあったけれど、すでに左指がカチ耐えられず終わりました。登れなかったけれど、この課題は面白いと思う。


我々が Droide di S. Menerio を訪れたのは7月の下旬で、熱波が来ている時期でした。最高気温は30℃近くありましたが、午前中は日陰もあり風が通り抜けて、気温の割には登りやすかったです。この暑さにもかかわらず、この小さな岩場には私たち以外にも15人ほどのクライマーが集まっていました。  


スポーツクライミングルートだけでなく、クラッククライミングに挑戦しているパーティーも見受けられました。オルコ渓谷のクライミングに慣れるため、あるいはマルチピッチクライミングのアクティブレストとしても、このエリアは素晴らしい選択肢だと思います。


Droide di S. Menerio 

壁の向き:南

ルート数:28

標高:1500m

高さ最大:20m

最高グレード:8b

チェレゾーレ湖 (Lago di Ceresole)


チェレゾーレ湖 (Lago di Ceresole)

クライミングを早々に終えて、オルコ渓谷を少し散策しました。チェレゾーレ湖はセレソーレダムによって作られた美しい湖でした。湖周辺は芝生で覆われていてピクニックができる日陰があり、車で簡単にアクセスできるおすすめのスポットです。湖の周り (7.5 km) を徒歩で周ることができるようです。比較的簡単にアクセスできるスポーツクライミングエリア (Pian della Balma) もありました。


翌日はいよいよオルコ渓谷で初めてのマルチピッチクライミングに挑戦!

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