初めてのジュラ山脈は灼熱だった:Rurey、真夏のクライミング遠征記

2018年の夏。猛暑が続いていたフランスに、ようやく雨がひと降りし、最高気温が35度以下に落ち着いた週末がやってきました。とはいえ、クライマーにとって理想の気温(10度台の快晴)にはほど遠い。そんな中、フランス人のクライミング仲間から突然の誘いが届きました。暑かろうが、行くしかありません。こうして、ジュラ山脈(Massif du Jura, Le Doubs)への初遠征が始まりました。

ジュラ山脈とヴォージュ山脈、何が違う? 

普段登り慣れたアルザスのヴォージュ山脈 (最高峰1424m) と、ジュラ山脈 (最高峰1720m) は、標高こそ大きく変わりません。車で走っていても、どこかヴォージュ山脈に似た山並みが続きます。 


ただ、よく見ると違いがあります。ヴォージュ山脈の山麓にはブドウ畑とワイン造りの村が点在するのに対し、ジュラ山脈の山麓では酪農が盛ん。山肌の荒々しさも、ジュラの方がより野性的に感じます。 


また、ひとつ覚えておくと便利な豆知識。フランスでは「ジュラ山脈」「ジュラ県(Jura)」は別物です。今回登ったエリアは実はドゥー県 (Doubs) にあるため、フランス人に「ジュラでクライミングしてきた」と言うと「それはドゥーだよ」と訂正されることも 😄 地質学の「ジュラ紀」の語源にもなったジュラ山脈ですが、地名としては少々ややこしい場所です。

ストラスブールから車で約3時間。ジュラ山脈が意外と近いことに、まず驚きました。総勢15人という大所帯のツアーで、8日間の計画で組まれていましたが、直前のお誘いだったため個人的には最終2日間のみの参加。ベースとなる宿泊村はPort-Lesney(ブザンソン近郊)で、ここを拠点に各エリアへ通いました。

初日はRureyへ 

最初に向かったのは、ブザンソン (Besançon) 近郊、Maisières-Notre-Dame 近くの Rurey エリアでした。ルー川沿いに7つのセクターが連なる南向きのエリアで、壁の高さは22〜30m、垂壁からやや前傾壁が中心です。 

真夏の南向きエリア。この暑さで南フェイスとは、なかなか手強い条件です ☀️🔥 

Rureyエリアの一般情報 (アクセス・トポ・グレード感・シーズンなど) は 👉🏻 こちらの記事 にまとめています。 


そして、久しぶりの石灰岩クライミングでした。砂岩のヴォージュ山脈とはまったく異なる岩の感触、ホールドの形、フリクションの効き方。「石灰岩ってこんなに指が痛くなるクライミングだったっけ?」と思わず声が出ました。

Orange Sector 

Tapis rouge (5a) FL 

約15mのショートルート。ウォームアップとして選びましたが、石灰岩の洗礼はここから始まりました。砂岩とは異なるホールドの感触に戸惑いながらも、まずは岩に体を慣らす一本として十分な役割を果たしてくれました。


Percée pour la percée (6a+) FL 

足をしっかり上げながら、アンダーホールドを取りにいくルート。石灰岩らしいテクニカルなムーブが求められ、「足を信じて体を上げる」という感覚を少しずつつかみ始めました。


Euphorie (6a+) FL 

これが石灰岩クライミングの醍醐味だと、登り終えて思いました。ホールドの選択、足の置き方、体の使い方すべてに石灰岩らしい論理があり、それがきれいにはまった時の気持ちよさは格別です。Rureyに初めて来る方には、ぜひ触れてほしい一本です。

Krakoukas (7c+) mead-TO

このエリアに7aのルートはなく、7bは取り付きの悪さが気になったため、「薄被りでボルト間隔が近そう」という見立てでこのルートを選びましたが、後から振り返れば完全に読み違いでした。

Attempt 1:離陸から3ボルト目までの間でもう手詰まり。ホールドはあるものの向きと位置が悪く、どう繋げるかまったく見当がつきませんでした。5ボルト目まではなんとか辿り着いたものの、そこで完全にスタック。



Attempt 2:クイックドローの回収を兼ねたトライ。1便目で行き詰まった箇所を左から回り込むとガバアンダーがあることに気づき、そこからはクリップしては休み、クリップしては休みを繰り返しながら、なんとか終了点へ。最後はクイックドローが足りなくなり、スリングとカラビナで即席のアルパイン型クイックドローを作って締めくくりました。体感で1時間近くかかった、人生で最も?長い1便だったかもしれません。

灼熱の石灰岩で、いきなり (7c+) に挑んだ代償は大きく、この後は完全にヘロヘロ。他のルートも登る気にもなれず、日陰でだまったりしながら、写真を撮ったり、昼寝をしたりで、クライミングは17時30分過ぎに終了しました。


ベースキャンプの夜

宿泊村のPort-Lesneyに戻ると、当然のようにアペリティフタイムが始まります🍺 約2時間のアペロの後、あたりが暗くなってからディナー。この夜はパスタ🍝でした。 


フランス人なのにアルデンテにこだわっていたのが印象的でしたが、トマトソースとチーズのシンプルな一皿は、疲れた体にちょうどよく、ジュラ産の赤ワイン🍷と合わせて楽しいひとときでした。 


翌日は宿泊村から車で約1時間のLa Barmaudエリアへ向かいます。

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