フランス 🇫🇷 アルザス地方でワイン用ブドウの収穫作業ヴァンダンジュ (Vendange) を Domaine Moritz さんで初めて体験してみてわかったこと 🍇

美食の国フランスでまず最初に思い浮かぶのはワインでしょうか。フランス産ワインは生産地の土壌や気候に合わせて栽培されたブドウを用いて造られています。そのためフランス全土では多種多様な味わいのワインが生産されています。

渡仏前は 🇯🇵 ワインなんてほとんど飲む機会がなかったこともあり、ボルドーとブルゴーニュ、シャンパーニュ、ボジョレーぐらいの産地は知っていましたが、アルザスが白ワインの産地として有名であることは知りませんでした。

個人的なワインの知識なんて、お恥ずかしながら、そんなものでした 😅

因みにフランスでは、主に10の地方でワイン生産地が分けられるとのこと。

アルザス (Alsace)・ロレーヌ (Lorraine)

シャンパーニュ (Champagne)

ブルゴーニュ (Bourgogne)

ジュラ (Jura)・サヴォワ (Savoie)

ロワール (Loire)

ボルドー (Bordeaux)

南西 (Southwest)

ローヌ (Rhône)

プロヴァンス (Provence)・コルシカ島 (Corse)

ラングドック (Languedoc)・ルーション (Roussillon)

渡仏してから ✈️🇫🇷 アルザスのヴォージュ山脈でクライミングをするようになり、葡萄畑に囲まれた小さな村を見るたびに、一度はワインに使われる葡萄の収穫をやってみたいと思っていました。

ワイン用のブドウの収穫作業をフランス語でヴァンダンジュ (Vendange) といいます。

このブログはクライミング友 “Domaine Moritzさん” のワイン畑で初めて体験したヴァンダンジュ (Vendange) の備忘録です。

葡萄の収穫時期はいつ？

フランス産のワインの多くは、ヴァカンスシーズンが終わる 9月中旬から10月初旬に収穫されたブドウからつくられています。

しかしながら近年このブドウの収穫期は地球温暖化の影響を受けて早まる傾向があるようです。

2022年もこの地球温暖化の影響を受けて、フランスは例年になく暑い夏になりました。ブドウの収穫は例年以上に早く、フランスの南西部では地域によっては (Languedoc-Roussillon) 7月後半から始まったようです。

“Domaine Moritzさん” によると、20年ぐらい前のアルザスでは、ブドウの収穫は10月に行っていたとのことでした。

誰が葡萄を収穫するの？

フランス国籍の人を含め、最近は様々な国からヴァンダンジャー (Vendanger) として働きに来る様です。

"Domaine Moritzさん" の話によると、2020年以前、すなわち新型コロナウイルスが流行する以前までは、比較的容易にヴァンダンジャー (Vendanger) として働く、季節労働者を確保することができたそうです。

しかしながら新型コロナウイルスによる行動制限後は (フランスではロックダウン、厳しい行動制限がありました)、ヴァンダンジャー (Vendanger) として働く季節労働者を確保することは、以前よりは難しくなったとのことでした。

ちなみに2022年 "Domaine Moritzさん" の葡萄畑でヴァンダンジャー (Vendanger) として携わったのは 6カ国とのことでした。

どうやって葡萄を収穫するの？

フランスでのヴァンダンジュ (Vendange) は、昔ながらの手摘みにより葡萄を収穫する方法と近年は葡萄を収穫できるトラクターを使う方法があります。

アルザス地方ではトラクターによる葡萄の収穫を行なっているところもありましたが、グラン・クリュ (Grands Crus) を名乗るには、手摘みした葡萄を使用することが義務化されています。

葡萄を手摘みにより収穫する作業は主に2つに分かれています。

1️⃣ 葡萄を収穫する係り (Vendangeur / Coupeur)

2️⃣ 収穫された葡萄を回収する係り (Porteur)

1️⃣ 葡萄を収穫する係り

垣根 (葡萄の木一列) を挟んで二人組のペアになり、葡萄を一房一房手に取っては収穫ハサミ (sécateur, セカター) で切り取っていきます。とにかくひたすら葡萄を枝からチョキチョキ切り、手元のバケツ (un seau, ソー) に入れていきます。

基本的にヨーロッパの葡萄畑は、日本でおなじみの “棚式ぶどう畑” ではなく、“垣根式ぶどう畑” です。高さは 150cm ぐらいかな？葡萄の収穫は、しゃがんだり、中腰になったり、立ったり、なかなかハードな作業です。

2️⃣ 収穫された葡萄を回収する係り (Porteur)

大きなバケツを背負って、葡萄を収穫する係りの小さなバケツに溜まった葡萄を回収し、トラックの荷台まで運びます。急な勾配の坂を何十キロもある葡萄を背負い、何往復もするので大変な重労働です。

“Domaine Moritzさん” の畑では手摘みにより葡萄を収穫しており、2022年の大雑把なメンバー構成は、葡萄を切り取る人が13人ほど、切り取られた葡萄を回収する人が2人ほどという感じでした。

ヴァンダンジュ (Vendange) 作業時間の流れ

7:45am 集合

8:00am 午前のブドウ採取開始

12:30pm お昼ご飯

13:30pm 午後のブドウ採取開始

17:00pm 作業を終えてからのアペリティフ

⚠️ 収穫した葡萄はその日のうちに搾汁されるため、1日の作業時間は収穫する葡萄の量 (葡萄畑の面積) に依存していました。

⚠️ 小雨程度の雨なら葡萄の収穫は行われます。雨が降る日は気温も下がり、作業は大変でした。

"Domaine Moritzさん" のところでは、Rieslingを始め、Pinot Noir、Muscat 、Gewürztraminer、Pinot Gris、Sylvaner などいろいろな種類の葡萄を作付けされているため、葡萄の成熟を見ながら、収穫をしていました。

1週間連続して (月曜日から金曜日まで) 毎日働くわけではなく、多い日でも 4日/週でした。基本的に週末 (土曜日・日曜日) はお休みです。

ヴァンダンジュ (Vendange) のお昼ご飯

お楽しみのランチは、晴れていればピクニック感覚で、葡萄畑の前でみんな揃って食べます。

基本的に、スープから始まり、メイン、チーズ、デザート。最後はコーヒーという感じです。ランチにはもちろんワインも振る舞われます。

たわいも無い話をしながら外で食べるフルコースはとても美味しく、午後の作業の活力を生み出します。

収穫したピノ・ノワール (Pinot Noir) を除梗・搾汁

アルザス地方は白ワインで有名ですが、ピノ・ノワール (Pinot Noir) を使った赤ワインも生産されています。収穫したピノ・ノワール (Pinot Noir) はその日のうちに除梗・搾汁されタンクに送られます。

✍🏻 除梗(じょこう)とは葡萄の茎、粒がついている軸を取り除くこと。写真のような感じで、ブドウ(ピノ・ノワール, Pinot Noir) をドラム式の機械に入れて果実と果梗を分離します。

✍🏻 白ワインの場合は、除梗 (じょこう) せずに搾汁されます。

冷たい雨が降って葡萄の収穫が大変な日もあったけれど、ヴァンダンジュ (Vendange) をすることで少しはフランス独特の文化を学べたし、ワインのことも少しは理解が深まりました。

例えばフランス産のワインの格付けでよく聞く"グラン・クリュ (Grands Crus)" って、地域によって使われ方が違っていることを知っていますか？

アルザス地方の場合は、51の小地区 (リュー・ディ, Lieu-Dit) があり、この小地区 (リュー・ディ) で収穫された葡萄から造られるワインが “アルザス・グラン・クリュ” として認められていると言う事を。

そしてこの51の小地区は必ずしも所有者名を表すものではなく、1つの小地区に複数の生産者によって分割されています。畦をはさんで隣は葡萄は別の所有者ってことが頻繁に起こります。なのでヴァンダンジュ (Vendange) をする時は注意が必要です 😂

⚠️ ブルゴーニュ地方におけるグラン・クリュは畑単位で “グラン・クリュ” が決められています。

そして今回この 51の小地区 (リュー・ディ) の1箇所で、実際にヴァンダンジュ (Vendange) をしたことによって、なぜその場所が “アルザス・グラン・クリュ” と指定されているかを、身をもって理解することができました。

“アルザス・グラン・クリュ” 指定の葡萄畑って、日当たりが良く、傾斜が急なんですよ ➡️ 収穫作業が大変 🤣

また今回ヴァンダンジュ (Vendange) をした事で、クライミング友のワインがどんな畑で作られていて、どんな行程でワインとして生産されているかを少しでも垣間見れたし、新しい出会いもあり、いい経験ができたことはとても良かったです。

お問い合わせフォーム 📩

私が初めてヴァンダンジュ (Vendange) を体験したワインは 2023 年以降 "Domaine Moritzさん" から販売されます。

もしこのブログを読んで "Domaine Moritzさん" のワインに興味がある方がいらっしゃいましたら、直接 "Domaine Moritzさん" へメッセージを送るか、このブログのお問い合わせフォームから連絡いただければ、私から "Domaine Moritzさん" へメッセージを転送することは可能です。

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⚠️ メッセージを送る場合、このブログのタイトル “Les Falaises de Grès” を本文にでも記載していただければ、状況を把握しやすくなると思います。例えば、ブログ “Les Falaises de Grès” を読んで興味を持ち、、、のような感じで。

⚠️ "Domaine Moritzさん" のところでは、Rieslingを始め、Pinot Noir・Muscat・Gewürztraminer・Pinot Gris・Sylvaner などを使ったワインがありますが、Sylvaner の収穫の日はシャモニー (Chamonix-Mont-Blanc) にクライミングに出かけており、私は収穫に参加していませんので注意してください 🤣

アルザスに来られることがあれば "Domaine Moritzさん" のワイナリーを訪問してみては？

彼らの都合がつけばワイナリーの見学なども可能とのことです。普通の観光とは一味違った体験ができると思います。クライミング友はフランス語のほかに英語も話すことができます。近くにはロッククライミングエリアもあります 😆

✍🏻 Vendange 2022 à Domaine Moritz

✍🏻  本当の意味での葡萄の収穫祭に参加 🍇

✍🏻 参考までにヴァンダンジャー (Vendanger) として働くために必要な書類 (2022)

VOUS ÊTES DÉJÀ IMMATRICULÉ À LA SÉCURITÉ SOCIALE EN FRANCE 

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VOUS ÊTES RESSORTISSANT EUROPÉEN : 

une photocopie de votre pièce d’identité (you live in an European country : a photocopy of your ID card)

VOUS ÊTES RESSORTISSANT D’UN PAYS HORS DE L’UNION EUROPÉENNE

votre pièce d’état civil, une copie ou un extrait d’acte de naissance intégral + votre titre de séjour et/ou de travail (you live in a country outside Europe : your ID card, a copy or a full birth certificate + your residence and/ or working permit)

今回は必要なかったけれど、

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